第66回目 カイロ医術 下痢
第66回目 カイロ医術 下痢
一口に下痢といってもその動因は色々ある。色々ある中の一つと思ってほしい。実家の家業を手伝っている33才男子・独身。*下痢については2時間ほどの治療の中、後半にはいってから父親から聞かされた。当初は頭/肩/首等の痛み・不調を訴えていた。
朝食事を取ると、決まってトイレにかけこむ。ひどい場合には、午前中に5回ほどトイレにいくこともある。5回目などは何もでないという。
性格によるものだと(=精神性のものだろう)、本人も父親も言っている。学生時代にはなかった症状のようだ。下痢は家業の建築設計を手伝うようになってからはじまった。
体表医術者の私にとって特筆すべき点は、「腱の緊張」にある。他人との比較にはなるが、前腕前面の腱を押してみると硬い。張力が増加している。前腕全体が硬いわけではない。
なぜ腱が「硬い」のか、明確にはいまのところ分からない。予想できることは、「機能の変調にともなうカタチ(構造)の歪み」を補正している。
例えばギックリ腰などでみられる強い前傾姿勢。左右の脚にかかる荷重差が大きくなると、差の補正のため身体は前傾する→ギックリ腰。結果として見かけ上、左右の荷重は等しくなる。逆に言えば、前傾になることにより左右の荷重は等しくなる。いま一つのギックリ腰には、身体内圧力の低下によるものがある。
精神/下痢の関係
私はまだ精神が下痢に影響をあたえる、身体のカタチ(=構造)をつきとめてはいない。
臨床で診ていたとしても、このカタチが精神による「下痢のカタチ」だとは認識できていない。
今かい認識できたことは、精神性の下痢に「腱の硬さ」をともなうこと。腱以外は硬くない。
腱紡錘をもちいる変化なので、エネルギー効率は低い。慢性的疾患だと予想。水分の流失にともなう体積減少から、身体が冷えることも予想できる。
腱の張力が上がっていることから、SOT的にはカテゴリーⅡに属するのではないかと考える
誤解を防ぐために付け加える
カテゴリーⅡの治療を必要としている。あるいはカテゴリーⅡの治療をおこなえば、治癒に向かうと言っているのではない。単に左右方向(X軸)の重心のズレ増加を言っている。
絶対基準法による確認/評価
重心はほとんどsine90°にちかい。
仰臥位/腹臥位/立位の各治療収束時点での音による検査でも、30秒ほどで元の(測定開始時の)周波数にもどってしまう。精神作用が身体の「何か」を防衛/保護している。
過敏性大腸症候群ともカタチは異なる。
外力にもとづく記憶に治療を向けようと思っても、「何か」によって、跳ね返えされる。