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112回目 解剖学的短脚長と見間違えた

112回目 解剖学的短脚長と見間違えた

1例報告というカタチで解剖学的短脚長の話をしたい。以前のブログでも述べたが、今回は解剖学的短脚長でない人を、解剖学的短脚長だと見間違えた話だ。
*解剖学的短脚長→解短脚と以下記述した。

◆解短脚
前にものべたが成長過程での何らかの動因によって、左右脚長の実測長がことなる人をいう。骨折をふくむ事故/手術等がなければ、解短脚といっても治療後の左右差は小さい。経験的視診によれば、差は3~5mm程度だろう。ただ日常生活によって、見かけ上の差は大きくなる傾向にある。

❖知っておいてもらいたい
解短脚の人の数は少ない。一般的にみかける脚長差は、生理学的脚長差という。実測長に差はない。見かけ上の差だけだ。とう然、治療後に左右差は等しくならなければならない。
症状からみると、解短脚と生理短脚は明瞭に区別されるべき問題だとおもう。

◆解短脚-経験からえた症状
体表医術者に来院するときの不調で多いのは、首/肩/背中のコリ・痛みだ。しかも
症状は、小学3~4年くらいからはじまる。カイロプラクティック医術では、実測長の差によって症状がでると考えている。

❖解短脚の形成期—年齢からの推測
幼稚園児~小学1~2年生ぐらいのあいだに、解短脚は発生するようだ→不調が小学3~4年くらいからはじまることから、逆に発生年齢をもとめた。

中学~高校生ぐらいで不調がはじまる。動因の発生時期は、小学5・6年~中学1・2生の間であろう。事故/クラブ活動等でのケガ/骨折等が考えられる。正確な時期は本人の
視力を参考にする。

20歳をすぎたあたりから不調がはじまる
17~19歳ぐらいのときにおきた動因だろう。骨の長軸にたいする成長は、ほぼ終わっている。骨折/手術等が無ければ、脚長の左右差を無くすことができるかもしれない?

◆今回私が見間違え例は、上記3番目のものだ。彼女はここ15年くらいの間に3~4年に1回くらいの割合で来院された。その時、私が解短脚と判断していた。
❖今回は耳なりで来院された
耳鳴り音は「ゴー/ブーン」。理学検査による聴力は正常。ここ10年ほどパートでインカムをつけ、電話対応の仕事をしている(48歳/女性)。
・手足は常に冷たいという。
・子供はできなかった。
・血液検査で、常に肝臓の異常をしめす数値がたかい。

治療の進行過程で
・左耳部の放射振動領域はない。
・左耳部に触ると痛い。右側に触れても痛みはなし
・左耳穴を後方にむかって引く、あるいは押すと表現しようか。耳穴に軽い力をくわえると耳なりが消える。
 経験から耳穴をどの方向でもよい、引く/押しても耳なりに変化はおきない。彼女の
場合変化する→消えるという。

治療は大体、仰臥位→腹臥位→立位と進行した
調べていくと、右解短脚だとわかった(以前に来院したときも、右解短脚だと伝えていた/写真あり)。

ただ今回は不自然だと感じたことがあった。解短脚の特徴の1つである、小学3~4年生くらいからはじまる、首/肩/背中の不調。彼女にはそれらが無かったという。
彼女に不調がはじまったのは、20歳をすぎてからだ。言い換えれば彼女には、成長期の
解短脚にともなうと思われる不調はなかった。

彼女に事故/ケガ等があったかどうかについて尋ねた
18歳のときバイクの二人乗で、事故のようなものを経験したという。彼女はバイクの後ろに乗っていた。そのとき道路に滑り落ちたという。頭はうたなかったが、お尻/腰あたりを打ったようだ。骨折はなし。

事故の状況
年齢からみて、成長期後におきている。骨折がないので、解短脚がおきる年齢ではない。治療すれば治るのではないかと考えた。

治療には金属と金属を打ち合わせる、打圧法をもちいた。解短脚はきえた。
確認には「2分ほどの間をとり」、ハカリ/下げふり糸/トムソンテーブルをもちいて
脚長検査をした→左右差なし。

彼女が「本日の治療」終了時でいった
とにかく今は非常に眠い。このベットで寝たいという。結果的には、付き添ってきた母親と一緒に帰られた。

彼女は今年(10/5)に耳鳴りがはじまっていらい、不眠の状態が続いていた。本人は
うつ状態にあると言っている(治療に金属打圧をもちいた理由)。医師には睡眠導入薬を処方してもらっている。

結論—今回の耳なり
動因は偽解短脚(30年間の)による、身体右側への力学的負荷ではないのか→肝臓の異常をしめす血液検査値がたかい。プラス彼女のインカムをもちいてのパート仕事にあると考える→良く使う位置に不調はあらわれやすい。

◆追記-2020年12月
誤解をまねくといけないので付け加える。解短脚では治療によって脚長差がなくなることはない。治療によって脚長差がなくなるのは、生理学的短脚長の方だ。

脚長差をみるのにもっとも有利なのが、トムソンテーブルのようなハイロ式テーブルだ。

平テーブル上で治療をふくむ何かをおこなおうとする治療者は、つねに患者さんにはテーブルの端からのってもらうこと。色々なことを考えると、サイド(横)から乗ってもらうことは止めた方がよい。もちろん患者さんの身体の、不自由度を考慮してのことにはなるが。

❖カイロプラクティック医術とは
ザックリ言って疾患の動因は3つある。物理エネルギーを動因とするもの。化学エネルギー/精神エネルギーを動因とするものだ。

カイロプラクティック医術はこのうち、物理エネルギーをもちいる内科(Internal-
Medicine)なのだ。化学エネルギーをもちいる内科ではない。勿論、背骨をポキポキする行為でもない。
私はパーマー大学でDr.Petersonにこのように習った。そして先生から最後にDr.Pavlov
パブロフに学べとも教わった。パブロフをどのように解釈するか、諸君に期待すると。

エネルギーは同種間では作用するが、異種間での作用には同種間にくらべ、100万倍の
エネルギーがいる。異種間では作用しないと考えて良いということだ。

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