91回目 生存のため失神する
91回目 生存のため失神する
昨日、患者さんから電話があった。彼女の友人、50代女性Aさんについて、聞きたいことがあるというのだ。
「循環系/脳は正常なのに意識がない。医師には何故なのか不明だ」と告げられているという。
ロボウィッツによれば生物は緊急状態にたいし生存のため、3つの行動をとるという:「戦う/逃げる/失神」。
Aさんについて詳しくたずねた。家庭内で大変なストレス下にあったようだ。
予想しうること
多大なストレス回避のため、Aさんは失神に落ちいった。もちろん本人には回避という意識はない。ただ意識を失っただけだ。
聞いた話
ヒトが失神行動をもっともおこしやすいのは、採血のときだそうだ。注射はりをみて気をうしなう。その対処方法としてベテラン看護師は、アンモニア吸入器を用意しておく。もちろん注射はりによる失神は、ペット類でもよくおきるようだ。
また分娩時にその夫が、感極まって失神することはよくあるそうだ。いずれも血管迷走神経性失調だという。
話はすこしかわる
性犯罪に遭遇した被害者も、おなじような失神行動をとることがあるようだ。「失神し、尿をもらす」。すると加害者側は何もしないでその場を立ち去るという。
意識してできる行動ではないが生存ということを考えると、ヒトも動物も変わらないようだ。
TV映像でも、脅かされると死んだマネをする小鹿をみたことがある→たぶん意識を失ったのだろう。しばらくすると息を吹き返していた。
失神という類似現象が50代女性におきたのではないだろうか?