63回目 SOT/筋力テスト 受講生にむけて
63回目 SOT/筋力テスト 受講生にむけて
多くの臨床家がもちいている、筋力テストは体温域に依存している。体温域の変化如何(いかん)によっては、「分析方法/道具」として役立たない。
*体温域:基準点(体温の)から許容される体温の上下幅→揺らぎ幅。
*筋力テスト=筋力-T.と記す。
体温は季節/気温に影響うける「揺らぎの幅」をもっている。また「揺らぎの幅」は治療にも呼応して、上下へと変化する。ただし治療による揺らぎは、身体両側におきることは少なく、普通は片側でのみおきる。
揺らぐといっても周波数レベルでのはなしだ。0.5℃体温が上昇した、あるいは下降したという話ではない。ただ体表医術的には、この「揺らぎの幅」は大きな意味をもつ。体表医術とはこの「揺らぎの幅」の中で展開される医療技術なのだ。
事実としてヒトは恒常性維持機能によって、その体温は大よそ一定に保たれているはずなのだが?
いま仮に血液温度を37.5℃としよう。結論をさきに言えば筋-T.をもちいることのできる体温域は、「揺らぎの幅」のうち高めのところだ。言いかえれば、四肢の屈曲―伸展に反応する体温域になる。
体温域が下がって37.5℃の下限域をしめすようなら、筋力-T.は反応しない。
不安定な筋力T.が、多くの臨床家に普及した理由はなにか
第1の理由は簡便さであろう。
第2は(身体)変位の基本メカニズムにある。我々が普段カタチ(姿勢)の不自然さ(歪み)として認識しているものは、力学的エントロピーは増加傾向にある→増熱傾向にある。
もちろん体温域内でという条件においてだ。言いかえれば多くのばあい、身体は筋力T.に反応する条件下にある。
いま何らかの理由によって内部圧力に低下がおきたとしよう。血液温度は下降→筋力-T.は使用不可になる。
この状態をDr.DeJarnetteはカテゴリーⅢと呼んだ。アンタルジック‐ポジション(強い前傾姿勢)になる。身体は冷えている。
SOT教本にそって述べれば
・カテゴリーⅠ:増熱→エントロピーは増大。
・カテゴリーⅡ:対称構造からの変位の場合、エントロピー増大傾向になる。筋力-T.はもちいることができる。