カイロは米国の正規医療。もみほぐし治療はしない。医療と慰安は両立しない。

30回目 カイロプラクティック医術 治療力とは

30回目 カイロプラクティック医術 治療力とは

30回目 カイロプラクティック医術 治療力とは
ここでは慰安のように、押す/さする/揉むといった技法を考えているのではない。あくまで治療技術について論じている。

体表医術について多くの治療者が錯覚をしていることがある。その一つが臨床経験をつめば治療技術が向上すると思っている。たしかに経験年数は患者さんをみたという総数を背景にして自信のようなものにはつながる。ただ総数/自信はともに治療技術の向上とはあまり関係はない。希望/思いとしてはありそうだが事実はない。

体表医術では技術と運用はことなる
1970年代、アメリカでは第一頸椎にたいする治療精度を競う大会がよくおこなわれていた。そして最後に競い合う技法と最後に勝つ技法はいつも決まっていた。競い合うのがG。勝つのがTだった。G:グロスティック。

◆Tにまなぶ
治療の良し/悪しは技法には左右されない。運用法に左右される。ボールペンの頭部のようなもので治療対象部をおしても治療精度には問題はない。むしろ正確に運用したボールペンの頭部の方が何々技法より精度は高い。

ペン/鉛筆の頭部の使い方(=運用)を治療技術だと考える治療者はいない。しかし事実から導き出された結論は皆の期待とは大きくことなっていた。治療のカギになるのは技法ではない。運用法なのだ。
*ボールペン:頭に消しゴムのついた鉛筆を思い起こしてもらってもよい。
*運用法:使用法/使い方をいみする。

○私のいう治療力とは
一手一手の治療により身体は対応/変化をする。その変化にたいし、ずい時治療を対応させていく能力をいう。
非線形系の世界では二度とおなじ変位/変化はない。常に診たことのないものがあらわれる。診たことのないものに対しどう対処できるか。この対処法を私は治療力と呼んでいる。 

○治療の手順
現実論として治療は階段をあがるようなもの。第一ステップとして患者さんの治療姿勢をきめる。仰臥位/腹臥位/立位。どの姿勢を身体が治療姿勢として要求しているのか。
それぞれの姿勢によって重さ(重力)の加わる方向がちがう。重さのくわわる方向がことなれはまた身体のあらわす反応もことなる。*自動車運転中の事故は座位をつかう。

◆治療をどの姿勢からはじめるか。
仰臥位/腹臥位/立位。どの姿勢からはじめても姿勢間は双方向性の関係にある。たとば仰臥位⇔腹臥位⇔立位のように。

◆姿勢の変換ポイントをあやまらない
ずい時姿勢の選択と変換に治療者は意識を集中しつつ治療をおこなわなければならない。

◆治療の側をきめる
右/左から治療をするのかをきめる。

◆治療対象部の存在する位置をきめる
頭部/上部/下部なのか。

ここまでが第一ステップになる。

◆治療力を養うもの
いつも言うが、治療後におこなう客観的評価/確認(=絶対基準法)をもちいるいがい、今のところ養う方法はない。

◆最後に
つぎの患者さんが待っているので「客観的評価/確認(=絶対基準法)をする時間などはない」という言い訳は、私には「治療力の向上をあきらめた」としか聞こえない。

○残念なこと
すこし前になる。業界新聞で「流行っている治療院ほど治療時間はみじかい」という記事をみたことがある。たしかに短期的にはありえる話だ。でも何ら健康保険などによる公的庇護のないカイロプラクティック業でも、本当に「みじかく」という考えかたで長く治療院を経営できるのだろうか。

「時の勢い」とでもいうか、10~20年はつづけることはできてもそれ上となるとかなり難しい。治療院が傾いてから「治療を」と願ってももうおそい。落語家は役者をできるが、役者は落語家をできない。物事には修行によってやしなわれた技量の差というものがある。

20年ぐらい前になる。友人のU君が飲食関係の店を開くため経営セミナーにでた。すこし学んだことを教えてくれた。「店は家庭料理よりうまいものをだしてはいけない。家庭料理よりうまければ特別になってしまう。つまり特別な日、以外にはその店に来ない」というのだ。

あれから20年。地方の名物店・個人の店は言うに及ばす、ラーメン/牛丼/ファミリーレストランなどもいまは価格/うまさできそいあっている。まずい店などだれもいかない。一時は日本全国に隆盛をきわめた、あのまずいK寿司チェーン店もつぶれた。

よく言われることだが、アメリカの企業は大体その創設者一代かぎりでおわる。それにくらべ我が国では1400年をこえる建設業もある。織田信長の時代にはじまったいくつかの企業も現存する。
建設業の本道は「良いものをつくること」。食べもの屋は「うまいものをたべさせること」。医療は「治すこと」にあるのではないか。目先の「商売繁盛」などはけっして長続きはしない。

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