6回目 評価なき治療に進歩なし/その3 測定によって知った真実
6回目 評価なき治療に進歩なし/その3 測定によって知った真実
投稿日2011年10月21日投稿者: waichisato DC.→和漢構造論
ハカリ/さげふり糸はパーマー大学のおしえ
私は学生として1970年代後半、パーマー・クリニックにはいった。その一室には特殊といえる装置がおいてあった。左右の体重をはかるための二台のハカリ。それぞれのハカリにはメーターが二つ付いていた。前後の重さをはかる/左右脚にかかる重さをはかる。
糸の先に重りをつるした姿勢をみるための装置→さげふり糸。大きなT 字型の定規だ。
何につかうのかはすぐ想像がついた。自分が治療した患者さんの状態をしらべるものだ。
治療後、左右/前後で脚にかかる重さが均等であること。さげふり糸にたいして背部正中線が一致すること。レントゲン画像でも背骨が垂直であるかをしらべている。
先輩カイロプラクター達がどのようにカイロプラクティック医術を捉えていたか、装置を通じてうかがい知ることもできる。カイロプラクティック黎明期の先輩は、術後評価の重要性を知っていた。
一方、今日はといえば背骨のクラックさえすればカイロ治療だと考える者も少なくない。またそのように教える指導者もいる。いわゆる「何々テクニック(=治療技法)」と称するものだ。*クラック:背骨を治療したときにでる「ガクー」という治療音。
数年前の統合医学会で指圧の先生が「カイロは指圧の一部だ」と発言されてもしかたがない状態にある。
しかし黎明期のカイロプラクティック医術は明確な治療の方向生をもっていた。
術後評価をしてわかったこと
「非線形系」の身体にたいし「何々テクニック」などというものがあることじたいおかしいと言わざるをえない。
言いかたをかえれば、おなじパターンが二度とない非線形系において一定の規則下にある技法では対応できない。なのに大手を振って「何々技法」がまかりとおる。
*非線形系:1+1+1=? 部分の集合より全体は常に大きい。生物・惑星・気象など。
次回「評価なき治療に進歩なし・その4」 測定方法の概要
2011年10月 佐藤和市DC.
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