カイロは米国の正規医療。もみほぐし治療はしない。医療と慰安は両立しない。

4回目 評価なき治療に進歩なし/その1

4回目 評価なき治療に進歩なし/その1

投稿日2011年8月16日投稿者: waichisato DC.→和漢構造論
的がなくては弓で射る技術を磨くことはできない。治療もおなじ。自分のおこなった治療結果を確認/評価しなければ、どうやって自分の治療能力を磨けるというのだ。

用語:私のブログ全般で使用する用語として以下をあげる。
*術後:治療後という意味。
*術前:治療前という意味。
*絶対評価法:ハカリ/提げふり糸/垂直レイザー/カメラ等で、患者さんの
身体に直接ふれることなしに観察/評価する方法。
*評価:治療前/治療後の患者さんの構造的状態を絶対基準法でしらべること
→右?kg/左?kg。右に/左に傾いている。前傾。ねじれ。足底の床面への接地ぐあいなど。
*相対的評価法:対象となる基準がない測定法。たとえば左右脚長を比較するようなディアーフィールド法など。絶対法にくらべ評価精度はかなりおちる。

私の経験からいえることは、治療後を評価することこそ「治療の腕」を磨いていく/上げていく唯一の方法だとおもう。
評価とは自分が患者さんにいれた治癒信号が、確実に患者さんに作用したかどうかをしる体表医術における唯一の手段でもある。*詳細は次回「その2」でのべる。

たとえば患者さんの「良くなりました」で治療後を評価したとしよう。では良くならなかった場合はどうする。良くならなかった理由を把握できるのか?

「良くならなかった」というのも一つの結果だ。その結果を正確に把握し、工夫をくわえ次の治療にいかすことこそ大切なのだ。だからこそ治療が明日につながる。

○左右脚長の比較
カイロを業としている人。あるいはカイロ技法を臨床の中に取り入れている人たちがよく使っているのが相対的評価法→脚長測定法だ。
左右の脚長をくらべ、あるいは脚長変化をみて「どこそこがわるい/治療はうまくいった/うまくいかない」というものだ。

測定について
・治療前検査にもいえることだが、治療者は患者さんの脚に直接手を触れる。そして左右脚長を比較する。だから治療者の意識が混入しやすい→正確な測定がむずかしい。
・物理学では「実験において観測者の意識をその実験からどう取り除くかに重要な問題をみいだしている」。

・ライワルト・ワトソン先生の言葉をもってすれば、「神はその人の望む姿をか
いまみせる」という。治療者の意識混入を含むと思われる接触型評価/測定法では、正確な脚長測定はむずかしい。*ライワルト・ワトソン:動物学者。6個の博士号をもつ。イギリ人。

それでも脚長を治療にもちい治療者のために幾つか注意する点をのべる。
・立体構造体である身体は3方向の変位をとる。臥位で検査をする脚長測定法では2方向の変位を無視することになる。無視した2つの変位をどう解釈するか。
・治療者の脚を測るときの位置/目線は足底面の延長線上におく。
・解剖学的脚長差と生理学的脚長差の区別が初診ではつきにくい。
*立体構造の屁にとは:捻じれ/左右方向への倒れ/前傾、少ないが後傾もある
*臥位でおこなう脚長測定法では左右方向への倒れしか測定できない
*前傾については、わずかではあるが膝をまげていったときに尻が天井方向にもちあがる
 のでわかる。
*解剖学的脚長差:何らかの理由によって骨の左右実測長にちがいのあるもの。たとえば、先天性/事故/手術の動因等。
*生理学的脚長差:骨の実測長は左右でおなじ。みかけ上、左右で長さがちがう。

脚長差の動因
・左右の脚長差がどこからくるのかは不明。一つ言えるとすれば、「脚長差とは機能がカタチ(=構造)に投影されたもの」。
・とう然だが治療終了時点では左右の脚長は等しくなくてはならない。*ただし、解剖学的脚長差をもつ者はのぞく。
・原理から「二つのもの:二脚の比較(=測定)はできない」。基準がないからだ。比較(=測定)は基準となる三番目があってはじめて成り立つ。

私見
参考としての脚長測定/脚長結果は支持する。
・術前において脚長での治療方針決定→かなり治療者の思い込みに由来する→否定する。
・術後における治療評価にもちいることには無理がある→誤差が大きすぎる。
・cos90°の世界をsin90°の世界で評価する。数学(=哲学)での考察からは、 臥位の世界を立位で評価することに無理はない。

疑問
・立位ハカリ上で左右の脚にかかる重さがひとしくなった。
・提げふり糸と背骨(=正中線)が一致した。
・耳の穴―股関節―膝関節―外踝が垂直に一直線上にそろった。
それがなぜ身体評価になるのだ→疑問だ。次回にのべる。
次回「評価なき治療に進歩なし」 その2・立位評価法。
2011年8月 佐藤和市DC.

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