カイロは米国の正規医療。もみほぐし治療はしない。医療と慰安は両立しない。

12回目 治療対象部になるのは?

投稿日2012年5月24日投稿者:waichisato
偽精神性疾患。たぶんこんな病名はないとおもう。構造的ひずみが精神に影響した例だ。 心療内科をへて来院された。その患者さんをみたとき目は異常に輝き、メガネはあきらかに一方が高く傾いてかけていた。

カイロ医術の適応範囲は「疾患動因が物理的エネルギーによるもの」。この患者さんのばあい来院の経緯を考えると精神性のもだろう。本人も心療内科で薬を処方されたといっている。普通に考えるならカイロ医術の適応外だ。

とりあえず患者さんの身体を調べてみた。結果、呼吸時にともなう肋骨の上下運動が左側において不自然であることに気がついた。疾患に呼吸が関係しているのではないかと考えた。

生物学によれば、肺は自身の力で伸縮することはできない。陸上動物では首から胸にかけての体壁の筋肉すべてもちいて呼吸運動にあてるという。たぶん身体左側上部のどこかに疾患と関係する部位があるとかんがえた。

また生理学は「砂糖と酸素」で脳は動くという。もし脳への酸素供給量が持続的に減少したらどうなる。たぶん精神的ようすに何らかの変化があらわれるのではないか。

患者さんの外見のようすは
・目が異常に輝いている→目は脳の一部なのでその影響はつよくでる。
・メガネをかけたとき、左右の高さが1cmほどもちがう→メガネが大きく傾いている。

観察結果
・身体左上部に主たる治療対象部が存在する→検査でわかった。
・たぶん疾患の動因は脳への持続的酸素供給量の低下→低下量はすくないが持続的であっ
 た。

問題はそうたやすく脳への酸素供給量がへるのか?
おこりえるのではないか。呼吸には首をふくむ上半身の筋肉群は必須である。ところが近年の作業姿勢の中心にあるPCキーボードは腕を回内して使用する。言い方をかえれば、最も身体に負荷のかからない解剖学的姿位からは180°腕をねじって使用する。腕から大きな力学的負荷が体壁の筋肉群にかかることになる。もちろん負荷のかかり方は本人の体型によってことなる。

体型について
私はパーマー時代Dr.アレンから作業姿勢に関係する、腰椎のcoronal facetとsagittal facetの講義をうけたことがある。レントゲン画像上の話なので詳細は省略するが、Facet(関節面)のカタチと作業姿勢には大きな関係がある。Facet関節面を無視して個人を作業につけるとすぐ腰痛を発生するという。

だいぶ前の話になる。日本航空の客室乗務員の8割が腰痛だという話を聞いた。腰椎のfacet
を無視した従業員の採用に問題があるのではないか。Dr.アレンの説は正しかった。

話を来院された患者さんにもどす。彼女の背は167cmくらい。やせ形。手/手指・足がながい。
ここは私の想像だがDr.アレンの腰椎Facet観察に似たものが、もしかしたら下部頸椎-上部胸椎あたりにもあるのかもしれない?

疾患メカニズムを推論する            脳は「砂糖と酸素」でうごく。肋骨の部分的フィクセーション化傾向によって酸素の体内への取り込み量が減少。とう然、脳へ運ばれる酸素量にも減少化が起きた→PCキーボードの作業姿勢からくるもので、肋骨への長期的負荷によるものだろう。 *砂糖:グルコース。 

患者さんは動因のわからないまま不調を訴え、病院の色々な科をまわった。それなりの答えはでたがほぼ正常。結局、最後に心療内科にたどりついた。

論点―診かたをかえて     
動因の一つをキーボードだとしよう。だとすればもって多くの人で何らかの精神性の問題が取り上げられてもよいはずだが? 
・この女性だけというのは彼女の体型のせいなのか? 
・気がつかない/気がつかれない状態で多くの偽精神性疾患の患者さんがすでにいるのか。
・たとえば
  いつも不調
  精神的ストレス
  不眠等。
・精神的に「切れやすい」という疾患の動因が、白砂糖だとする説を学生時代本でよんだことがある。アメリカの少年院での実例をあげ説明していた。

この女性の場合の疑問点             現在は「酸素の血液含有量をはかる簡単な器具もある。 酸素の減少化などすぐに医師は気がつくはづだ」と考えることはできる。確かにそのとおりだ。しかし患者さんはいわゆる普通に仕事をして生活もしている。会社での地位は課長職にある。            
普通生活をしている状態 で精神/心療内科をおとずれた場合、医師は血液中の酸素濃度不足を疑うだろうか。
精神系医師にとって「脳の酸素不足」は対岸に位置するほど距離がある。調べれば簡単にわかったことだが、検査領域の範囲に盲点があったのではないか。
          
           2012年5月 佐藤和市DC.
次回 カイロプラクティック医術・重さの負荷

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