14回目 カイロプラクティック医術・閉鎖系と開放系
正常状態では身体内部圧力は少なくとも1013hPaに等しいか/それ以上ある。
○閉鎖系と開放系カイロプラクティック医術は背骨を対象にしたとき、後方から前方にむかっておす。言いかえれば外→内に向かっておす。「なぜ」背骨を外→内にむかって押すことができるのか?
答えとして「カイロプラクティックとは本来背骨を押すもの。背骨を押さないのであればカイロプラクティックではない」という主張もできなくはない。ただ何故という部分の答えにはなっていない。*C1はA:前方。
じつはここに重要なカイロ医術の本質がある。背骨の変位は「その系における最少エネルギー消費での立位構造の維持を目的として、脳によってつくられる」。
少しまわりみちをしてみよう。身体はつねに大気におされている。大気の身体をおす力は平均で1013hPa。みじかな数値で表現すると水銀を760mmもち上げる力にひとしい。 *hPa:ヘクトパスカル。
血圧測定でよくつかう「高い方何mm/低い方何mm」という単位のことだ。
正確にはmmの後に水銀をあらわすHgの文字がつく。たとえば120mmHg→意味は水銀を120mm(=12cm)もち上げる力になる。
かなり高いが今、血圧200mmHgの人のことを考えてみよう。大気の圧力は760mmHg。比較すると身体は3.8倍の外から内向きの力によっておされている。言い換えれば血管を内から外へむかっておす圧力が200。身体全体を外から内にむかっておす圧力は760ということになる。
血管と身体、違いはあるが 両者の圧力にはかなりの差がある。それでも我々は普通に生きている。結論は身体内圧力は760mmHgより高い。あるいはに760mmHgに抗するメカニ ズムをもっていることになる。
たとえば何らかの理由によって身体内圧力が下がったとしよう→開放系。手術の場合が一番おおいケースにはなるが。
とう然、治療対象も「変位」優先から「減圧」優先に変えなくてはならない。身体は特性として一番おおきな変化/変位が表現化されるからだ。
もし身体が開放系に変化したことをしらずに押し圧技法を加えたとしたら治癒にむかうことは難しい。むしろ悪化の可能性がでてくる。
カイロプラクティック医術を業とするものとしてはたいへん残念だが、いまのところ手技単独では減圧に対応する技法はない。
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